TRUMPFのAIを活用したモニタリングソリューションを利用すれば、TruPrintマシンのビルドプロセスの監視、分析とキャリブレートを簡単に行って、生産効率と部品品質を更に高めることができます。高度なモニタリングにより、センサーベースのデータの表示と評価が可能になります。ラインナップには、プロセス/コンディション/パフォーマンスモニタリング向けのソリューションが含まれています。モニタリング結果は、直接TruPrintマシンのHMIで見ることも、モニタリングアナライザを使ってオフラインで評価することもできます。TruTops Monitorでは透明性が得られるだけではなく、PCやタブレットを経由してリモートアクセスも可能になります。また、OPC UAインターフェースが備わっているため、ご使用になるソフトウェアソリューションと極めて柔軟にリンクさせることができます。追加で使用可能になるキャリブレーション機能で、建設作業開始前に最適な生産条件のプロセス関連パラメータを確認できます。
TruPrintモニタリング
積層造形システム向けのTRUMPFのスマートなデジタル化ソリューション
モニタリングソリューションにより、全所有マシンでの生産指数と設備状態を常に把握することができます。
エラーが早めに検出されて通知されるため、手遅れになる前に対応することができます。
透明性が高くなるため、プロセスを長期的に最適化することができます。
大量の情報を活用して、部品品質を証明することができます。
表示と分析の対象を、ジョブにとって重要な指数だけに限定することが可能です。
部品品質監視用のプロセス監視
プロセス監視では、ビルドプロセスに焦点が当てられます。粉末床が照射プロセス中に監視されますが、それは2種類の製品を利用して行われます。一つ目のパウダーベッドモニタリング(粉末床溶融監視)で粉末床を監視し、もう一つのメルトプールモニタリング(溶融槽監視)でTruPrintマシンの溶融槽を監視します。それにより、部品品質を層状に完全に管理することが可能になります。また、不具合が素早く検出されるため、生産効率も高まります。
部品品質を層状に監視
TruPrint 2000の溶融槽の様子
パウダーベッドモニタリングの仕組み
プロセス監視では、いわゆるパウダーベッドモニタリング(粉末床溶融監視)がその主要構成要素です。TruPrintマシンに統合されたカメラと自動画像処理を介して、粉末床を自動的に監視することができます。それにより、部品の状態を常に把握し、品質パラメーターを層状に分析することが可能になります。TruPrintマシンには高解像度カメラシステムが装備されているため、各粉末層を鮮明に観察することができます。画像処理システムと組み合わせることで自動評価が可能になり、この画像評価をさらにサポートする機能として、暗視野照明が統合されています。ユーザーは自分で、通知またはエラーメッセージの発生時点となる重要な限界値を決定することができます。品質パラメーターが各層に割り当てられるため、故障の発生位置を素早く正確に特定し、 手遅れになる前に現在進行中のジョブに介入することができます。パウダーベッドモニタリングでは粉末の敷き詰めに加えて層状態を検出して、粉末床から突出しているパーツを検知します。部品の状態を既にビルドプロセス中に最適に評価し、何らかの異常が発生している場合には、それを早めに検出することができます。オプションの自動敷き詰め直し機能を利用すれば、敷き詰め不良があった際に、部品品質の低下が確実に防止されます。粉末の欠如が検知されると、自動的に新たに粉末が敷き詰められて、不良箇所が修正されます。その他、ビルドプロセス後に、画像を選択して各層を徹底的に分析して、CADデータなどと比較することも可能です。
メルトプールモニタリング – 溶融槽の監視
TruPrintマシンでのビルドプロセスをさらに正確に把握し、部品品質を最適に評価できるように、TruPrint 2000およびTruPrint 5000では、パウダーベッドモニタリングに加えてメルトプールモニタリングも提供されています。メルトプールモニタリングでは、レーザメタルフュージョン工程での溶融槽がセンサーで監視されます。このモニタリングの利点は詳細な品質チェックと層毎の記録作成です。そのため、連続生産であっても、プロセス規定値からの逸脱が発生した場合にはそれを早期に検知して、部品の際どい領域を必要に応じて可視化することができます。この係数を基準ジョブと自動的に比較することで、プロセス安定性が監視されます。また、複数のレーザを使用する場合に、すべての溶融槽を簡単に並行して監視することも可能です。データはデスクトップコンピューターまたはオフラインで、モニタリングアナライザを使用して評価することができます。
注記:国によってはこの製品ラインナップや仕様と異なる可能性があり、技術、装置、価格、アクセサリーが変更になることがあります。お客様がご使用になる国での販売の有無につきましては、担当者にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
TruPrintマシンの状態の常時把握を可能にするコンディションモニタリング
コンディションモニタリングは、マシンのステータスデータのほか、プロセス環境のデータも取得します。これにより常にマシンのステータスを監視して、様々なパラメーターを分析できます。多数のセンサーにより、TruPrintマシンの最新の状態に関するデータを収集します。収集したデータは文書に記録され、品質管理に利用できます。また、HMIからいつでも直接データを確認できます。こうして故障を早期に検知して、ビルドプロセスに介入したり、非常時にはプロセスを中断したりすることができます。データ表示を個別に設定すれば、自分に関連するあらゆる情報を分かりやすく表示できます。
TRUMPFのコンディションモニタリングでは、マシンの状態に影響を及ぼす多種多様な要因を監視することができます:
- 湿度、基板プレート温度、不活性ガス流速などのビルドチャンバー状態
- 酸素含有量や温度などの環境条件
- 冷却水温度
- フィルターデータ
- 機械軸
注記:国によってはこの製品ラインナップや仕様と異なる可能性があり、技術、装置、価格、アクセサリーが変更になることがあります。お客様がご使用になる国での販売の有無につきましては、担当者にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
マシンの生産性に関する透明性が完全に得られるパフォーマンスモニタリング
計画通りに製造を完了するにはマシンの生産性は欠かせない要素です。だからこそ、TRUMPFのパフォーマンスモニタリングは、マシンの性能を総合的に評価するために、あらゆる重要な産出比情報を提供しています。使用状況に関するステータスは、いつでも簡単にTruPrint HMIで確認・分析できます。ジョブが完了したら、パフォーマンスモニタリングで総合レポートが作成されます。このレポートには、ジョブに関するあらゆる重要なデータと、その他の監視状況から得た情報が記載されています。また、このレポートは利用者のニーズに応じて簡単に表示設定を変更し、分かりやすくデザインすることができます。シフト時間や溶融速度、稼働時間といったマシンの使用状況や産出比情報をできる限り分かりやすいよう、すべてのパフォーマンスパラメーターをグラフ化して表示しています。さらに、プロセスやコンディションモニタリングのデータに基づく目標値・実測値比較機能も利用して、ジョブを包括的に分析できます。パフォーマンスモニタリングはこのようにして生産性と稼働率に関するあらゆるデータを取得して、全体でより経済的な製造を実現します。
注記:国によってはこの製品ラインナップや仕様と異なる可能性があり、技術、装置、価格、アクセサリーが変更になることがあります。お客様がご使用になる国での販売の有無につきましては、担当者にお問い合わせいただきますようお願いいたします。
コネクティビティー - 機械とネットワークでのモニタリング
TruTops Monitor
TruTops Monitorでは社外にいても全所有機械の透明性が完全に得られ、リモートアクセスが可能になります。所有しているTruPrintマシンの観察、分析と制御を、デスクトップから快適に行うことが可能です。ライブマシンデータと全所有マシンの稼働率を分析することで、産業用積層造形が推進されます。エラーがEメールで通知されるため、プロセスを出来る限り素早く調整できるようになります。
モニタリングインターフェース
OPC UAインタフェース – 自分のネットワークソリューションとリンク
OPC UAモニタリングインターフェースでは、TruPrintパフォーマンスモニタリングデータを自分のソフトウェアと柔軟にリンクさせることができます。標準規格インタフェースを介して、パフォーマンスモニタリングデータがリアルタイムで転送されます。
モニタリングファイルインターフェース
モニタリングファイルインターフェースを使用すれば、モニタリングデータをユーザーのファイルシステムに自動でエクスポートすることができます。モニタリングデータはモニタリングアナライザ用に提供されます。ユーザーはデータを自分のソフトウェアで分析して保存することができます。
モニタリングアナライザ
Windowsデスクトップアプリケーションであるモニタリングアナライザを使用すれば、モニタリングファイルインターフェースのデータを観察することができます。なおその際、各ユーザーにフローティングライセンスが与えられます。従って、現時点の、又は保存されているモニタリングデータをデスクトップPCで、そして機械外の作業場で快適に分析して観察することができます。
注記: 国によっては、この製品ラインナップと製品情報が異なる場合があります。技術、装備、価格及び提供アクセサリーは変更されることがあります。現地担当者に問い合わせて、国内で製品を入手できるかどうかを確認してください。
キャリブレーション
機械性能の証明
これまでにない程のレベルでの部品品質最適化を可能にする自動マルチレーザーアライメントでは、全自動オンライン監視が行われ、複数のレーザー装置の相互配置が27.5 µmの精度で補正されます。高分解能カメラシステムと暗視野照明が備わっているため、ビルドジョブ進行中の画像撮影、評価と補正が可能です。また、測定シーケンスごとの品質パラメータに基づいて、故障が発生している箇所を素早く突き止めることができます。測定結果はコンディションモニタリングに記録されます。
当社のLaser Power Calibrationは、お客様が行う年次メンテナンスとは別に、2つのビルドジョブの間にレーザー出力の測定と、必要に応じて再キャリブレーションを行います。オプションのフルフィールドマルチレーザー搭載機械では、すべてのレーザーが点検されます。それと同時に、証明義務を遵守するための測定結果も記録されます。なお、レーザー出力測定はDIN 35224とISO 52941に準拠しています。
このオプションでは、2つのビルドジョブの間に焦点位置を測定します。レーザー保護パネルでは汚れの有無 (サーマルシフト) が点検されます。そして、証明義務を遵守するために測定結果が記録されます。
スキャンフィールドキャリブレーションでは、2つのビルドジョブの間にスキャンフィールドを測定して、必要に応じて再キャリブレーションすることができます。それに加えて、証明義務を遵守するために測定結果が記録されます。