TRUMPFでサービスが果たしている役割とは？
マルチェッラ・モンテラティーチ：TRUMPFでサービスは決定的な役割を果たしています。当社では、「1台目のマシンは販売部門が売り、2台目は優れたサービスが売る」という認識が広まっています。お客様はマシンを購入する際に、費用対効果を入念に検証しています。購入したマシンが何年間も確実に稼働すること、レトロフィットがあること、そしてアップデートが定期的にあることを望んでいます。サービスに対する期待は、単なる修理の枠を大きく超えています。
トーマス・フェーン：TRUMPFが販売している製品は日用品ではなく、投資財です。従って、お客様が優れたサービスを期待しているのは当然のことです。サービスは、レーザ技術部門の売上高と利益の相当な割合に貢献しており、その傾向は強まっています。
マルチェッラ・モンテラティーチ：「TRUMPFのお客様にとって優れたサービスとは、信頼できるパートナーが存在していることを意味します。」
トーマス・フェーン：「サービスでTRUMPFの従業員は決定的な役割を果たしています。」
つまり、お客様は製品だけでなく、それが長期間にわたって機能するという約束も買っているということですか？
マルチェッラ・モンテラティーチ：その通りです。優れたサービスのないマシンは、堅実な投資ではありません。TRUMPFでは、お客様の問題を代わって引き受けています。また、多くのお客様にとって、有能なオペレーターを採用して離職を防止することが如何に困難であるかも理解しています。当社のデジタルRemote Control Centerでは、こちらとお客様のマシンをリンクして、多数の作業を引き受けています。セキュリティアップデートもリモートで行っていますが、これは今日益々重要になっています。
トーマス・フェーン：TRUMPFのレーザはコンディションモニタリングや予知保全などを利用することで、24時間365日稼働可能であり、生産中に予期せぬダウンタイムが発生しないと約束することで、当社は競合他社からの差別化に成功しています。稼働率を「オンタイム」で売るには、お客様のデータが必要になりますが、そのためにはまずお客様の信頼を得なければなりません。 ここでは、TRUMPFがお客様と築いているような密接なパートナーシップが必要になります。
優れたサービスとは？
マルチェッラ・モンテラティーチ：TRUMPFのお客様にとって優れたサービスとは、信頼できるパートナーが購入時だけでなく、マシンのライフサイクル全体にわたって存在していることを意味します。当社のサービスエンジニアは専門性の高い有能な人材であり、現場に赴き、お客様のことを理解しながら問題を解決しています。当社では、どのような場合にも上手く対応できる組織体制を敷いています。お客様の近くで活動し、迅速に現場に赴ける現地のサービスエンジニアが、各地域にいるスペシャリストを必要に応じてサポートしています。 このスペシャリストは、それぞれのケースの担当開発部とも密接に協力しています。「フォロー・ザ・サン」の方針に従い、当社には世界中で24時間365日連絡がつくようになっています。
TRUMPF技術サービスの特に優れているポイントとは？
マルチェッラ・モンテラティーチ：お客様は現地の言語で当社に連絡して、相談することができます。どこにいても、電話、Eメールやビジュアルアシスタンスなどで、母国語でサポートが受けられます。問題の把握、障害の解決やマシンの操作方法説明では、コミュニケーションがスムーズにいかなければなりません。例えば医者に行った場合は、医者がこちらの言うことを確実に理解し、その逆も然りであって欲しいものです。そうでなければ安心感が得られないか、最悪の場合には治療ミスに至ってしまいますから。
ハノーファーで開催されたEuroBLECH 2024で、TRUMPFは新しいマシンとソリューションを披露しましたが、それにはデジタルサービス「コンディションモニタリング」に関するものも含まれています。
TRUMPFのコンディションモニタリングを利用すれば、お客様はマシンの状態をひと目で把握することができます。
デジタル化と人工知能は、サービスでどのような役割を果たしていますか？
マルチェッラ・モンテラティーチ：TRUMPFでは、AIは既に現時点で主要な役割を果たしており、先の話ではありません。障害のパターンをより素早く検出し、その解決策を提示する際に役立っています。
トーマス・フェーン：AIは社会的なレベルでも、価値創造の領域でも、大きな付加価値を提供しています。仕事での負担が実際に軽くなっていますし、情報がまとめられて新たに組み合わされていますし。そして何よりも、AIに基づいて新しい解決策を生み出すことが可能になっています。当社の製品ではAIが既に利用されています。そして現在、AIを技術カスタマーサービスとアプリケーションコンサルティングで活用する方法に集中して取り組んでいるところです。
具体的には、どのようなことに取り組んでいるのですか？
トーマス・フェーン：AIを利用すれば、技術サービスの内勤担当者はルーティンワークを自動化し、エラーを診断し、カスタマーサポートをパーソナライズし、リソースをより効率的に計画し、情報をより的確に準備することができます。総合的に見て、効率だけでなく、顧客満足度も大幅に高まります。AIはサービスエンジニアの作業時の負担を大きく軽減しますが、サービスエンジニアに取って代わることはありません。
サービスでTRUMPFの従業員はどのような役割を果たしていますか？
トーマス・フェーン：決定的な役割を果たしています。当社のサービス・アプリケーションエンジニアは、大抵は困難な状況で、会社を代表しています。マシンが故障している場合、お客様は緊張しているか神経質になっています。どのような場合でも、サービスエンジニアは平静を保ちながら適切に対応しなければなりません。
今後数年間でサービスはどのように進歩していくでしょうか？
マルチェッラ・モンテラティーチ：多くの領域で、活動を更に強化していきたいと思っています。その例としては、ツール、レトロフィット、ソフトウェアアップデート、コンサルティング、イニシャルプロダクションアシスタンスやトレーニングが挙げられます。この多様なサービスラインナップで、お客様のスピード、収益性と競争力の向上に貢献していきたいと考えています。いずれにせよ、最も重要な目標は、上述したようなあらゆる課題でお客様をサポートしていくことであり続けます。
