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曲げ加工ですべてをコントロール

Weber Maschinenbau GmbHは1981年創業。家族経営企業で、ノイブランデンブルクのブライデンバッハ(Breidenbach)に本社を構えています。同社は、ソーセージやチーズのスライスといった食品加工業界向け切断・包装機の開発・製造で評判を得てきました。Weber社が製造で主に加工するのはステンレスです。生産性を上げるだけではなく、従業員の負荷を減らし、魅力的な作業環境を提供するために、同社は作業をオートメーションに任せています。曲げ加工では、自動曲げセルTruBend Cell 5000が生産を円滑にするでしょう。ですが、パーツが2~3個の小ロットだとなかなか生産性は上がりません。少なくとも、曲げワークごとに従業員が個々のグリッパーを組立て、ストックしていく必要があるような場合には。Weber社で生産マネージャーを務めるマイク ヘルマン氏と、シートメタル加工マネージャー兼プロジェクトマネージャーを務めるペーター シュルツ氏は、そこでTRUMPFに関心を寄せました。TRUMPFでは中サイズのマルチグリッパーの開発が進められ、 1つのグリッパーで、できるだけ多岐にわたる部品の加工を目指しています。マイク ヘルマン氏とペーター シュルツ氏にとっては耳寄りな話でした。両氏はTRUMPFに共同開発を提案し、自動化された曲げ加工により将来的には手間なく簡単に小ロットにも対応できるよう、力を注いでいます。

Weber Maschinenbau GmbH

www.weberweb.com

1981年の創業からというもの、家族経営企業であるWeber Maschinenbau GmbHは食品業界をリードするシステムプロバイダーおよびパートナーとして評判を得てきました。正確な計量を行うカッティングから、ソーセージ・肉・チーズ・ビーガン代替食品の正確な挿入と包装まで、Weber社は食品加工の切断・包装ライン全体を開発し、作り上げています。「We make life more simple for our customers.」という当社モットーを重んじ、当社は技術革新とサービスに注力しています。創業者ギュンター ウエーバー氏の長男、トビアス ウエーバー氏が、同社2代目代表取締役社長として会社を経営しています。

業界
スライサー用途のためのフルソリューションプロバイダー
従業員数
約1,500
事業拠点
ノイブランデンブルク・ブライデンバッハ(ドイツ)
TRUMPF製品
  • TruBend Cell 5000
アプリケーション
  • レーザ切断
  • 曲げ加工
  • レーザパイプ加工
  • レーザ溶接

課題

成功は同時に課題をもたらすもの、とWeber社の社員はすでに知っていました。同社40年の歴史の中で特に成功を収めた2021年以降には確実に。Weber社はシートメタル加工部門だけでもおよそ100名の従業員を擁していますが、その人数でも目がまわるほどの忙しさでした。「需要と供給に対応できないほどの忙しさです」と、Weber社でシートメタル加工マネージャー兼プロジェクトマネージャーを務めるペーター シュルツ氏は説明します。「景気のよい話ですが、私たちは従業員に対する責任もあります。だからこそ、生産性が高くてもそのような中で従業員の負荷を減らすにはどうしたらいいか、魅力的な作業環境をどうすれば提供できるかを常に考えています。」 Weber社はそのため、合理的であれば作業はオートメーションに任せています。とはいえ、最適なソリューションはそう簡単に見つけられるものではありません。「当社製品の多様性と顧客ごとの仕様に合わせたバージョン対応により、ロット数は非常に小さいのです。2~3個が基本です」と、シュルツ氏は説明します。

自動曲げセルへの投資に関して、マイク ヘルマン氏とペーター シュルツ氏はすでに、途方もない数のグリッパーを見てきました。「設計・製造・保管が必要です」と答えるのはシュルツ氏です。「そのためには、作業員のノウハウが必要ですが、それもなかなか難しい話です。そのような人材がいればいたで、ほかの部門での登用も検討したいからです。すると、オートメーションによる生産優位性が丸々消えてしまうんです。」このような状況の中、同氏はTRUMPF社の担当者との会話の折に、TruBend Cell 5000のマルチグリッパーの開発について耳にしたことで、問題の解決は文字通り“掴める”ところにあると感じ、この設備の購入に賛成しました。

ツーリングプランと、ガイドロッドに適用されるスケールを使って、当社オペレーターは簡単な操作かつわずか数分で、グリッパーを調整できます。

ペーター シュルツ
Weber Maschinenbau GmbH、シートメタル加工マネージャー兼プロジェクトマネージャー

解決策

TRUMPF の中サイズ マルチグリッパーは、小ロット生産に関心のあるお客様におすすめです。ですが、グリッパーの操作に特別な知識を必要としないため、あらゆるユーザーにこの汎用ソリューションを使うメリットがあります。「この汎用性というコンセプトで私たちは真の付加価値を得ることができます。だからこそ、私たちはTRUMPFに共同開発を提案したのです」と、シュルツ氏は語ります。このために、Weber社はTRUMPFのエキスパートチームに各種サンプルパーツを提供し、実際の製造現場で使用する部品のサイズ、重量、形状を分析しました。マシンを操作するオペレータは、グリッパーを何度も試験使用し、改良に有益な実践的意見を提案しました。

そうして約3年の期間を経て開発された中サイズのマルチグリッパーは、TRUMPFとWeber社が待ち望んだ、小ロット生産でも自動生産のメリットを得られる本物のオートメーションコンポーネントです。数々のメリットがあることから、TRUMPFのエキスパートチームは中サイズのマルチグリッパーのテストフェーズと並行し、別バージョンとして4つのサクションカップを搭載した小サイズのマルチグリッパーを開発しました。このバージョンにはロータリーユニットがあり、つかみ換えをせずにパーツを180°回転させられます。これにより、無駄にできないサイクル時間を節約できます。

マルチグリッパーは曲げロボットTruBendに取り付けられ、Weber社で使用される中サイズバージョンではサクションカップが8つ装備されています。このサクションカップは個別制御式になっているため、グリッパーの柔軟性がさらに高まります。グリッパーの作動前に、マシンのオペレータはTRUMPFのオフラインプログラミングシステムを使ってツーリングプランを作成します。部品のシミュレーションモデルを使った簡単なマウス操作で、サクションカップの装着箇所を決められます。必要ないサクションカップは切り替えられます。「ツーリングプランと、ガイドロッドに適用されるスケールを使って、当社オペレータは簡単な操作かつわずか数分で、グリッパーを調整できます」とシュルツ氏は説明します。

中サイズのマルチグリッパーを使うことで、Weber社はグリッパーの数を最小限に留めることができます。「これに加えて、オペレータは重量のあるパーツを積む必要がなくなり、別のマシンでの作業ができるようになります」とシュルツ氏は満足そうに語ります。「曲げプロセスは全体的に効率が上がり、スピーディーになりました。以前は、曲げ加工のセットアップを2人でする必要がありました。ですが今では、曲げロボット BendMaster と中サイズのマルチグリッパーによるオートメーションで、セットアップは1人でもできます。セットアップさえ済めば、あとはすべて自動です。」

 

実行

ペーター シュルツ氏は、「私たちはこの連携でかなりの時間をかけ、同時にリスクも負いました」と、TRUMPF チームとの共同開発について熱く語ります。「ですが、開発プロジェクト開始から非常に好感触で、TRUMPF のエキスパートチームも私たちと同様の意向であると感じられました。共に開発について試行錯誤し、楽しんでいます。」これは、マイク ヘルマン氏も同様で、次のように語ります。「Weberでは、お客様ごとの仕様に合わせたオートメーション ソリューションをご提供しています。マルチグリッパーの共同開発で、TRUMPF社が当社としたことも同じことだったのです。これぞ真のチームワークです。」

展望

中サイズのマルチグリッパーだけではありません。Weber社は現在、小サイズのマルチグリッパーも試験中です。TRUMPFの開発パートナーとして革新的な製品をさらに設計できることを想像し、「マルチグリッパーには、使用可能性を秘めた機能がほかにもあります」と、シュルツ氏は語ります。

製品に関する詳細情報

TruBend Cell 5000、生産性の高い汎用ベンディングセル
TruBend Cell 5230

TruBend Cell 5000は、できるだけ幅広いパーツに対応できる高い生産性と柔軟なオートメーションをお求めの皆さまに理想的なソリューションです。この曲げセルは、一貫して高い加工品質と、独自のスピーディーかつシンプルなプログラミングを特長としています。各種グリッパーソリューションに加えて、個別調整式のマルチグリッパーを2種類のバージョンでご用意しております。材料の流れの包括的なソリューションにより、TruBend Cell 5000はスマートファクトリーでのご使用にも最適です。

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