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パイプ加工のプロセスチェーン:自動化して複雑な部品を製造

TecPro Metall GmbHは、自動車・商用車業界ならびに機械・設備製造業界にコンポーネント、アセンブリー一式やシステムを供給しています。同社ではパイプ加工に焦点を当てています。自動車サプライヤー業界に属する顧客からの問い合わせがきっかけとなり、パイプ加工のプロセスチェーンの自動化を検討することになりました。「既存のパイプ切断レーザ加工機では、この課題に対応することができなかったのです」とドミニク・ヨルダン販売部長は述べています。「効率的に生産してサイクルタイムを短縮し、手作業での介入を減らして労働投入量を減らすことができる解決策が必要になっていました。その実現にはオートメーションが不可欠だったのです。」TecProのプロジェクトチームと当該自動車サプライヤーの担当者は、解決策を模索し始めました。そしてそれが見つかったのです。TRUMPFとパイプ曲げ加工機を得意とするtransfluid® Maschinenbau GmbHが戦略的なパートナーシップを結ぶことで、TecProにパイプ加工のプロセスチェーンの自動化を共同で提供することが可能になったのです。

TecPro Metall GmbH

www.tecpro-metall.de

ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州ノイスに拠点を置く中小企業TecPro Metall GmbHは、自動車・商用車業界にコンポーネント、アセンブリーやシステムを供給しています。同社の顧客層には、機械・設備製造業界に属する企業も含まれています。TecProではパイプ加工に焦点を当てています。2019年初頭以降、同社は金属加工会社などが属する企業集団Neuenhauser Gruppeの傘下に入っています。同集団の顧客には、各企業特有のノウハウと企業ネットワークが生み出すシナジー効果がメリットとしてもたらされています。

業界
パイプ加工に重点を置いた金属加工
従業員数
63
事業拠点
ノイス(ドイツ)
TRUMPF製品
  • TruLaser Tube 5000 fiber
  • TruLaser Tube 7000 fiber
  • TruLaser Cell 8030
アプリケーション
  • レーザ切断
  • レーザパイプ加工

課題

専門人材不足、時間に追われる日々、コスト圧力などの課題を克服するには、オートメーションが不可欠です。TecPro Metall GmbHのホルガー・マルツコーン取締役とドミニク・ヨルダン販売部長もそのことを理解しています。自動車サプライヤー業界に属する顧客から、トレーラーヒッチ用のクロスパイプが必要であるとの非常に特殊な問い合わせが来た際、パイプ加工のプロセスチェーンを利用して、スムーズな流れを生み出すことになりました。「既にTruLaser Tube 5000 fiberとTruLaser Tube 7000 fiberがあり、それ以外のマシンもすべてTRUMPF製でした」とヨルダン販売部長は説明しています。従って、解決策を模索する際にディッツィンゲンの担当者に問い合わせたのは至極当然のことでした。「部品精度に関してお客様は非常に高い要件を設定していました。また、特に自動車サプライヤー業界では連続生産でのサイクルタイムとコストが大きな意味を持っています」と同部長は述べています。「従って、手作業による介入を出来る限り避けながら複雑な製品を素早く効率的に最高品質で製造できる解決策が必要になっていました。」

"TRUMPFとtransfluid®の協力関係は密接であったため、コンサルティング、マシンと運転開始作業が一手に提供されたように感じました。"

ホルガー・マルツコーン
TecPro Metall GmbH取締役

解決策

パイプ加工のプロセスチェーンの自動化では、既存のTruLaser Tube 7000 fiberが最初の構成要素になっています。トレーラーヒッチに関して見ると、このマシンはクロスパイプの切断とコンター加工を担当しています。「この装置は既に現場で、生産性、精度とプロセス安定性が高いことが証明されていました」とヨルダン販売部長は述べています。

加工されたパイプは、次にtransfluid®のパイプ曲げ加工機に搬送され、ロボットによって自動でローディングされます。transfluid®のCNCマンドレル曲げ加工機では、許容誤差に対する要件が確実に満たされるだけでなく、ツールチェンジャーを使用して素早く簡単にセットアップすることも可能です。最後の製造工程では、3Dレーザ切断機TruLaser Cell 8030が使用されます。そこでは仕上げが行われます。この3Dレーザ装置では、曲げ加工前に施すと変形してしまうコンターが切り抜かれます。

一連の装置の個々のマシンのプログラミングは至って簡単です。「TruLaser Tube 7000 fiberでは経験があったので、非常に上手くいっています」とヨルダン販売部長は述べています。 また、TruLaser Cell 8030もこの点に関して見事な結果を残しています。「プログラミングはとても分かりやすいので、時間の大幅な節約につながっています。治具と部品のアップロードが完了すると、ほぼ自然にプログラミングが進行するような感じになっています」と同部長は強調しています。また、transfluid®のプログラミングソフトウェア「t project」の曲げ修正値をTRUMPFのプログラミングソフトウェア「Programming Tube」に自動転送して、切断の計算時に考慮できるようにするインターフェースも備わっています。

 

実行

ドミニク・ヨルダン販売部長を中心とするTecProプロジェクトチームも、本案件に密接に携わっている自動車サプライヤーも、パイプ加工のプロセスチェーンならびにプロジェクトの計画と実行に非常に満足しています。「TRUMPFとtransfluid®の担当者は、このプロジェクトで密接に協力してくれました。協力関係は快適でパートナーシップとして上手くいき、コンサルティング、マシンと運転開始作業が一手に提供されたように感じました」とマルツコーン取締役は喜んでいます。

展望

パイプ加工のプロセスチェーンを自動化したことで、TecProでは問い合わせのあった部品の効率的な製造以外も可能になっています。「オートメーションにより、将来他のお客様にも品質とコスト面でのメリットを提供できるようになっています。新次元に飛躍したと言えるでしょう」とマルツコーン取締役は確信しています。そして、この優位性を更に伸ばすことを考えています。「中期的には、2Dレーザ加工機と場合によっては溶接設備をもう1台追加して、バリューチェーンの範囲を広げることを計画しています。もちろんどちらもTRUMPF製にするつもりです。それが実現すれば、お客様に個々のコンポーネントだけでなく、サブアセンブリー一式も提供できるようになるでしょう。」

当社製品に関する詳細情報

TruLaser Tube 7000 fiber
TruLaser Tube 7000 fiber

TruLaser Tube 7000 fiberに装備されている固体レーザは、幅広い加工ラインナップに対応可能です。RapidCutにより、コンタが小さめの場合でも、レーザの高い送り速度を実感することができます。このマシンはオープンなマシンコンセプトを採用しているため、ローディング/アンローディングの際に極めて手が届きやすい構造になっています。そのため、ロット数が1であっても効率的な作業が可能であるほか、OPC UAインターフェースが備わっているため、インダストリー4.0に向けて最適な準備が整っています。

TRUMPF 3D laser welding TruLaser cell 8030
TruLaser Cell 8030

TruLaser Cell 8030は、温間成形部品の3Dレーザ切断でベンチマークとなる設備であり、あらゆる要件に合わせて柔軟に設定することができます。新機能が搭載され、細部が改良されたことで、生産安定性がより一層高まっているほか、市場でおそらく最高レベルの生産性も得られるようになっています。Smart ApproachやDynamic Level 3などのオプションを活用すれば、経済性が向上します。

2023年12月20日現在