ソリューション
ここでSwiss m4m Centerは各種サービスを提供しています。同社は歯科・歯列矯正専門のラボに代わり、鋳造模型補綴物、複雑な(インプラント)補綴物修復用ガントリ、トランスパラタルアーチ・GNE・ハーブスト装置などの歯列矯正用パーツをクロムコバルト合金あるいはチタンから製造しています。通常、このためにデジタルモデルペアのみが提供され、設計と製造はSwiss m4m Centerで行われます。積層造形システムへの投資を断念するラボであっても、このようにして、このテクノロジーや関連する製造品質を活用することができます。
金属製歯科用コンポーネントの積層造形に参入しようと計画している会社は、それが開始段階からであってもあるいは後々の参入であっても、適切なサポートを受けられます。「こうした投資が経済効率の面から価値を見いだされるためには、膨大な量の生産が必要になりますが、スイスでも数少ないデンタルラボしか達成していません。革新を続け技術設備をもって社を広めたいという考えであれば、積層造形分野への投資はたとえ少量生産でもする価値があります」と、ニコラス・ブドゥバンは語ります。この技術移転は、同氏にとって行われて然るべきことなのです。
実行
自社製造センターでもラボでも、安全なプロセスチェーンを構築するためにまずはマシンを選ばなければなりません。加工安全性のために、常に材料に応じてマシンを使用しなければなりません。つまりは、材料ごとに、設備が1つ必要になるということです。そのうえで、必要なコンポーネントを組み合わせていきます。品質構造が確立され、チームがそのテクノロジーを習得しさえすれば、先に述べた市場のニーズを満たすという点でスピードを最適化できます。
Swiss m4m Centerでは、チタン製の歯科用コンポーネントの製造のために、MYSINT100 (Sisma)システムを筆頭とする2020年にすでに確立されたプロセスチェーンが用いられています。クロムコバルト合金の加工のために、同社は2022年秋に、2022年11月には世界初だとして発表されたTRUMPFのTruPrint 1000を導入しました。「新設備の大きな強みは、達成可能な部品品質、多用途性、ニーズに合わせて装備を調整させられるという利便性にあると私は考えます」と、ニコラス・ブドゥバン氏は述べます。TruPrint 1000は直径98.5 mmのビルドプラットフォームを搭載し、多岐に渡る装備オプションによりユーザーのニーズに合わせて装備を調整できます。一つのプラットフォームで最大64本のインプラントアバットメントを製造するプレフォームオプションや、ハイブリッド製造オプションにより応用範囲はさらに広がります。後者のオプションは、フライス技術でプリント部品を嵌め合わせる面を後加工することができます。その一方で、オーダー数量が増加した場合には、TRUMPFのファイバーレーザ2台とマルチプレートにより、粉体を同時に露光するためのマルチレーザオプションを後付けするということも可能です。マルチプレートは最大4枚のビルドプレートを引き受け、フルオートで交換を行い、完成したプレートをオーバーフローコンテナにて回収します。そうして、夜間や週末であっても大量のオーダーに対応することができます。
「当初、設備はTruPrint 1000のベーシックバージョンに投資しましたが、オプションを順次増やしていくために、今年はプレフォーム装置パッケージを導入しました」とニコラス・ブドゥバン氏は述べます。同氏は次のように付け加えています。「プロセスチェーンのコミッショニングと確立はまったく問題なく完了しました。これは、当社がすでに、機器製造に使用されるTRUMPFのTruPrint 2000でレーザメタルフュージョンに関する経験を多く積んでいることも関係しています。TRUMPFというメーカーは会社もまたその特殊な設備も、高品質な部品をたとえ初心者でも簡単に製造できるように必ずしてくれます。」