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TruPrintマシンの前に立ってサンプルパーツを手にしている人物2人

3Dプリント業界では、積層造形は連続生産のレベルに達していると言われるようになって久しいですが、大ロット数のプロジェクトは依然として稀です。 これに関して、Oerlikon AMでは間もなく状況が変わることになると確信しています。また、受託生産業者と装置メーカーは大きな突破口を切り拓くまで密接に協力していく必要があるとの信念も持っています。

Oerlikon AM

www.oerlikon.com

Oerlikon AMは、積層造形ソリューションを航空宇宙産業、エネルギー業界、自動車業界、半導体業界やその他の様々なハイテク業界に提供しています。Oerlikon BalzersならびにOerlikon Metcoと共に、Oerlikon AMはスイスに本拠を置くOerlikon企業グループ(SIX:OERL)のサーフェスソリューションセグメントを形成しています。このセグメントは比類のない一体型ソリューションを提供しており、その範囲は材料選択に始まり、製造、そして機能性コーティングによるコンポーネントの後処理にまで至ります。

業界
航空宇宙産業、自動車業界、エネルギー業界、金型業界などに向けた製造ソリューション
従業員数
120
事業拠点
バーレーベン(ドイツ)
TRUMPF製品
  • TruPrint 3000
  • TruPrint 5000
アプリケーション
  • 積層造形

課題

Oerlikon AMは、金属とポリマーによる積層造形のパイオニアの一社に数えられています。同社はヨーロッパ、米国と中国に点在する4拠点で高品質・高性能部品の共同開発と受託生産、研究開発、3Dプリント用自社金属粉末の生産を行っています。2004年、同社はラピッドプロトタイピングで積層造形市場に参入し、様々な装置メーカーとの協力に多くの資源を投入し、航空宇宙産業、エネルギー業界、自動車業界と金型製造業界に属する顧客にはどのコンセプトが最適であるかを正確に評価しました。

突破口の手前

Oerlikon AM Europeのヘンドリック・アルフター部長は、積層造形技術では現在次の大きな画期的な瞬間が目の前に迫っていると確信しています。「積層造形による複雑な量産部品の生産は、航空宇宙産業やエネルギー業界などの産業分野で突破口に差し掛かっています。テクノロジー、材料、プロセス、部品当たりコストなど、すべての面で調和がとれており、経済的に魅力的なレベルに達しています。」ただし、達成を大々的に祝う時期にはまだなっていないと前置きした上で、同部長は次のように説明しています。「オプションは既に揃っているのですが、開発と適格性確認に時間がかかっており、プロジェクト開始が遅れているため、粘り強さが求められています。業界として継続的な性能向上に取り組み続けて、連続生産が本格的に開始できるようにする必要があります。」

大半は覚書のレベル

同部長によれば、Oerlikon AMを含めた多くの場所でプロジェクト計画は多数あるとのことです。有意義なオプションがあり、連続生産を目指している開発プロジェクトは同社に既に多数存在しています。また、準備と後処理に膨大な時間がかかる少量生産であれば、既に実行に移されています。ですが、ロット数2000個以上のプロジェクトが単なる覚書の域を超えることは現在はごく稀です。

本格的な段階

その理由はこうです。Oerlikonなどのプロバイダーが何年にもわたって積層造形技術を発展させ、知識を蓄積し、それを既に積層造形の産業化に応用している一方で、多くの顧客業界ではこの技術への深い取り組みがようやく今になって本格的な段階に移行しているからです。大学やユーザーでは、次世代の設計者の育成と「積層造形第一」の考え方が急ピッチで進行しています。それは、航空宇宙産業などでの積層造形技術の適格性確認にも当てはまります。

困難な時期

その結果、大きなプロジェクトは進行中ですが、完了するには中期的な期間を要し、その後で具体化することになります。ですがそれまでの間、装置の減価償却費は発生し続けてしまいます。それが現在の状況が多くの企業にとって我慢のしどころになっている理由です。

連続生産に適した秀逸なマシンの最も重要な判断基準は信頼性、部品品質と良好なサービスです。TRUMPFはこれらをすべて提供できる会社です。

ヘンドリック・アルフター
Oerlikon AM部長

解決策:リスクの共有

現在の市場情勢に伴い、確実な計画が立てにくくなっている状況を改善することはできません。市場を加速させることはできないからです。それは適格性確認段階も同様です。Oerlikon AMなどの企業は、積層造形技術と各社のノウハウを継続的に発展させて部品をプリントして、投資した場合に元が取れるようにしなければなりません。具体的にはどうすればいいのでしょうか?アルフター部長には、連続生産の突破口につながる成功の鍵がはっきりしています。「装置メーカーとその顧客が開発で密接に協力すれば、連続生産の突破口に至るまでの技術的・商業的リスクを共有して、開発をスピードアップさせることができます。これは両方にとって学習できる良いチャンスです。私は、積層造形連続生産を成功に導く道は開発パートナーシップであると考えています。」

実行

この道をOerlikon AMは既に2010年からTRUMPFと共に歩んでいます。例えばOerlikon AMはテストユーザーとして、新しいTRUMPF装置のベータバージョンを早めに手にする機会に恵まれました。また、パラメーター開発でも両社は密接に協力しています。TRUMPFのTruPrint 3000と5000は、Oerlikonの現場で既に量産機としての適格性確認を受けており、多くの用途で最高レベルの費用対効果を上げています。不活性のクローズドループ粉末循環になっているため、シールドガス下で部品と粉末を簡単かつ安全に取り扱うことが可能であり、粉末と部品の品質が一定に維持されます。どちらのマシンにも、素早く交換可能なビルドチャンバーと粉末ストックチャンバーが備わっています。そのため、チャンバーのセットアップとジョブの取り出しをビルドプロセスと並行して行えるようになっています。その結果、Oerlikonでは装置のダウンタイムと間接作業時間が大幅に減少しており、顧客要件に素早く柔軟に対応することが可能になっています。アルフター部長は「連続生産に適した秀逸なマシンの最も重要な判断基準は信頼性、部品品質と良好なサービスです。TRUMPFはこれらをすべて提供できる会社です」と説明しています。

展望

Oerlikon AMにとって、TRUMPFとのパートナーシップなどの協力体制は、各種テクノロジーの開発と適格性確認に早期に好影響を及ぼす上での鍵になっています。「当社にはマシンが早めにテスト用に提供されますが、これはTRUMPFにとって、当社からのフィードバックに基づいてマシンを短期間で改良できることを意味します。 それに対して当社側には、装置をすぐに使用して適格性確認を行い、当該テクノロジーならびにパラメーターを分析すると同時に、将来のビジネス獲得までに至る期間を短縮できるというメリットがもたらされます」とアルフター部長は述べた上で、こう付け加えています。「これはマシンメーカーにとって、物事が理想的に進めば、航空宇宙産業などの現在形成中の非常に新しい市場に参入できるチャンスでもあります。そうなれば、その新しい分野で早期に地位を確立することができます。」このようなパートナーシップに耳を傾けないメーカーは、未来の市場でシェアを獲得する機会を逃すリスクを負うことになるでしょう。

当社製品に関する詳細情報

TruPrint 3000、工業用積層造形向けの柔軟なソリューション
TruPrint 3000

TruPrint 3000は、産業用部品・パウダー管理を搭載した中型汎用マシン(レーザメタルフュージョン / 粉末床溶融結合 / レーザ粉末床溶融結合)です。フルフィールドマルチレーザがオプション装備可能になったため、積層造形連続生産での柔軟性、品質と生産性がより一層向上します。

TruPrint 5000
TruPrint 5000

TruPrint 5000は産業用連続生産に適しています。生産性の高い半自動造形プロセスにより、3D部品の造形時間が短縮されます。

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2023年12月12日現在