ソリューション
マーキング作業に必要な柔軟性を提供する目的で、2004年以来、MED-EL社ではマーキングレーザがこれをサポートしています(導入当初のマシンはTRUMPFのVectormark VMC4)。以前は、外部のサービスプロバイダーが部品のマーキングを引き受けていました。長期的視点でこれを捉えると、時間も回転もよくありませんでした。MED-EL社で外装機器製造部門副グループリーダーを務めるChristoph Fankhauser氏はこれについて、「法的要件に対応するため、私たちは何度もマーキングを修正しなくてはなりません」と説明しています。また、材料の品質に変動があった場合でも読みやすいマーキングを施すため、レーザで迅速な対応が求められます。「この点をまずサプライヤに説明しなければならないのでは、大きな時間のロスになってしまいます。」このようなわけで、部品のレーザマーキングは非常に重要なのです。最初に導入したTruMark Station 5000により、同社はマーキングの重要性と高品質を考慮し、2010年にこの中心的な製造工程用にまた新たなシステムを工場に導入することにしました。「当社では、主に金属部品やプラスチック部品にシリアル番号や機械読み取りUDIコードをマーキングしています。さらに、矢印や注記など、ユーザーによる取り扱いを容易にするシンボルもあります」とFankhauser氏は言います。
MED-EL社では、完成品に表示されるマーキングが多いことから、フォントのグラデーションを統一を重要視しています。これには、読みやすさを確保するために高いコントラストが必要になります。「もちろん、マーキングを再現できることが絶対条件です」と、Fankhauser氏は強調します。「TruMarkレーザなら、非常に小さな部品であっても、この要件を満たすことができるのです。」
実行
MED-EL社は製造エリアにTruMark Station 5000を現在合計3台設置しており、このマシンで、インプラント部品のほか、外部システムコンポーネントやアクセサリ部品にもマーキングを施しています。すべてのマーキングステーションは、TruMark シリーズ 3000のレーザと組み合わせて作業が可能です。「当初はグリーンレーザを使用していましたが、今は、より柔軟性に優れた波長1064ナノメートルの赤外線を使用しています」と、Fankhauser氏は語ります。
MED-EL社はマーキングレーザを使用して、プラスチック部品のほか、インプラントの金属ハウジングにもマーキングを施しています。中にはチタン製のほか、一部にはプラチナ・インジウム製の部品もあります。ですが一番の課題はプラスチック部品のマーキングです。「当社では1,000種類を超える多種多様な製品品目を取り扱っており、これらに個別の製品コードとシリアルナンバーを付けています」と、Fankhauser氏は説明します。サプライヤから大量に各種部品を購入するので、ロットごとに、材料品質に変動が生じることもあります。これに対応するため、製造チームはレーザパラメーターを何度も調整しなければなりません。「一方で、部品にスペース的余裕がないという問題もあり、そのうえで読み取れるマーキングを施さなければなければならないのです。なかなか容易なことではありません。」しかし、積み重ねてきた専門知識と精密なTruMarkマーキングレーザをツールとして組み合わせることで、チームはこのハードルさえも克服しています。
MED-EL社は連続生産でTruMarkレーザをブランク材のデパネリングにも活用しています。「私たちは積極的に様々なことをテストし、多くを試したいと考えています」と、Fankhauser氏は言います。「レーザを使ってプロトタイプのマーキングや、開発部と連携して各種素材の切断やマーキングのテストも行っています。」同氏の同僚であるDietmar Köll氏は、この精神こそが、MED-EL社を形作っているのだと考えます。「何年経っても、この構造が色あせることはありません。私たちは常に新しい開発に取り組み、だからこそ物事を動かし変えていくことができるのです。」