解決策
「レーザテクノロジーだけで、当社は製造プロセスでの以前の課題を解決し、製品の大量生産を可能にしています」とミヒェルCFOは述べています。「溶接では、鋳造の場合と比較してコストを著しく抑えることができます。ハウジングの肉厚をかなり薄くすることができるため、各ハウジングで使用する材料の量を約50パーセント削減することに成功しています。」
実行
これが可能なのは、CooolCaseが採用したTruLaser Weld 5000が、プロセスで必要な工程すべてに対応できるからに他なりません。レーザ溶接には経済的なメリットがあり、見た目は大したことがないように思えますが、インバーター用ハウジングの溶接は、実は並大抵のことではないのです。このコンポーネントでは、困難な溶接タスクが3つもあり、CooolCaseが持つノウハウすべてを注ぎ込む必要があります。1つ目は、側面のストレートビードと丸みのある角継手です。ここでCooolCaseでは、出力を微調整した熱伝導溶接を使用して、コンポーネントへの入熱量を最小限に抑えています。「そうしないと、溶接ビードで高温割れが発生し、気密性が損なわれてしまいます」とミヒェルCFOは説明しています。2つ目は、ハウジングへの補強パネルの溶接です。この工程では、レーザ装置の溶接方法を深溶け込み溶接に切り替えて、レーザ光で厚さ2 mmのアルミニウムを貫通して溶接することで、H2O分子を通さない気密性の高い継目を、ここでも高い再現性で生み出しています。そして最後に、溶接技術の極めつけとして、CooolCaseではハウジングルーフの開口部に冷却体を取り付けて、後でインバーターが異常過熱することを防いでいます。生産技術的な都合上、連続鋳造鋳片と呼ばれるこの冷却体は、6000番系アルミニウム合金としてしか存在していません。「これは非常に硬く、高温割れしやすい性質を有しています。ですが、それはまさにハウジングで絶対に起きてはならないことなのです。更にひどいことに、当社はここで、6000番系アルミニウムを別のアルミニウム合金に溶接しなければならないという状況に直面しています。もちろん、完全な気密性を確保しながらです。」そのためTruLaser Weld 5000で再び溶接方法を切り替えて、今度はFusionLineで補助ワイヤーを使用しています。「これは、両方の合金との類似性が十分でなければなりません。適切な溶接パラメーターを見つけるだけでも、微妙なバランス調整が要求される困難な作業でした。幸運なことに、TRUMPFという強力なパートナーがいてくれたので助かりました!」とミヒェルCFOは述べています。高い技能が要求されるこの作業はうまくいき、TruLaser Weld 5000はローテーションチェンジャー上でハウジングを次から次へと加工しています。