アモルファス金属は、金属ガラスとも呼ばれ、非常に優れた万能性を備えています。極めて強固でありながら、同時に伸縮性に富んでいます。 それは、本来相反する2つの特性を兼ね備える金属ガラスのユニークな特性により実現します。アモルファス金属は、結晶材料とは異なり、規則正しい格子状構造を持っていません。 これは溶融物の冷却速度が高いことが原因です。これにより金属の中で粒子が均等に配置されることを防ぎます。その結果、原子がほとんど不規則な状態で残っている非結晶性の固体であるアモルファスになります。
アモルファス金属3Dプリント
極めて強固でありながら伸縮性に富んだ、金属ガラスとも呼ばれるアモルファス金属は、数多くのハイテクアプリケーション向けの3Dプリントにおける新しいスーパーマテリアルです。その魅力的な特性は、医療技術、航空宇宙、ロボット、Eモビリティ業界、またはライフスタイル分野における革新的な部品に対して、極めて大きな可能性を秘めています。*
アモルファス金属とは?
金属ガラスの利点は何ですか?
高硬度と高強度でありながら高弾性を発揮: この独特の組み合わせにより、アモルファス部品の製造に数え切れないほどの利点をもたらします。
アモルファス部品は、すべての空間方向で同じ材料特性を持っています。これにより、例えば積層造形では、部品の位置調整と合わせて設置スペースを最適に利用できるなど、多くの利点が得られます。
3Dプリントされたアモルファス部品は、生体適合性があるため、多くの医療技術の用途に最適です。アモルファスインプラントは、患者の体格に合わせて個別に対応することができます。
アモルファス金属は、高い降伏強度とほぼ2%の弾性伸長率を誇ります。これにより、サスペンションが大幅に改善され、インプラント、センサー、ソリッドジョイントなどの製造に多くの利点をもたらします。
アモルファス金属で作られた部品は、強度が高いことから、さらに薄く、材料を減らし、軽量化することができます。これは、ロボット工学や医療技術の分野だけでなく、航空宇宙やEモビリティの分野でもとりわけ重要です。
アモルファス金属には低温延性があるため、極低温での使用に優れ、その特性を維持することができます。従って、この材料クラスは、航空宇宙業界に適しています。
アモルファス金属は硬度が非常に高いため、セラミックに匹敵するほどの低摩耗性を備えています。この特性は、ツール及び金型製造、並びに高品質な時計のようなライフスタイル製品など、大きな負荷を受けるコンポーネントには特に重要です。
アモルファス金属 – 新スーパーマテリアルに関する3つの質問
TRUMPFとHeraeus AMLOY社は、非常に細かい焦点と極めて小さな溶融体積で機能するプロセスを共同開発しました。熱はすぐに放散されます。このようにして、毎秒200ケルビンという臨界冷却時間を実現しています。個々に適合したアモルファス状に固まったインプラントを粉末床から作製します。
金属ガラスは結晶格子を持たないため、他の金属とは全く異なる挙動を示します。同時に、極めて強固で、伸縮性に富み、耐摩耗性にも優れています。これにより、アモルファス金属で作られたインプラントもまた、人体にかかる大きなストレスにも優れた耐性を持っています。それは打撃や衝突に対してだけではありません。顎骨は噛み合わせの際に定期的に一定の負荷に晒されています。また、肋骨弓は、年間約800万回の呼吸運動に耐えています。
アモルファス合金は、人間の骨に近い弾性モジュールを備えています。これは、治癒プロセス及び以前に弱っていた体の部分の耐性にとって、非常に大きな利点です。同時に、この合金は腐食耐性に優れ、生体適合性も認定されています。
アモルファス合金 – 注目すべき4つの特性
Heraeus AMLOY社は、とりわけ革新的なインプラントの製造に最適な革新的な合金を開発しました。Amloy-ZR01とAmloy-ZR02のジルコニウムベースの合金は既に入手可能です。後者はすでにISO 10993-5及びISO 10993-12に準拠した生体適合性認定材料です。さらに、チタンは骨インプラントやペースメーカーなどの医療部品の材料と考えられています。医療技術に使用するチタン合金に関する現在の研究は非常に期待できるものです。チタンでもジルコニウムでも、アモルファス合金は異なる特性を備えているため、それぞれ特定の用途には特にメリットをもたらします。
ホワイトペーパー
ライフスタイルウォッチから、医療技術、軽量構造まで: アモルファス金属は幅広い分野や産業に新しいアプリケーションの可能性を開きます。大きな主な利点は、3Dプリントと金属ガラスの組み合せによって得られます。 ぜひご確認下さい!
アモルファスのアプリケーションにはどのようなものがありますか?
ライフスタイルウォッチから、医療技術、軽量構造まで。アモルファス金属は幅広い分野や産業に新しいアプリケーションの可能性を開きます。 3Dプリントと金属ガラスの組み合わせにより、材料を最適に加工し、滑らかな表面を持つ極めて精緻な構造を生成することが可能になります。 非常に優れた耐腐食性と耐摩耗性を必要とするアプリケーションを理想的に実装することができます。
医療技術
アモルファス金属により、医療技術がまさに求めている、耐久性のあるメスや低侵襲性器具の製造向けの最適な材料を手に入れることができます。 しかし、アモルファス金属は、将来、人体においてもインプラントとして重要な役割を果たすことになります。
ライフスタイル製品
高品質で傷のつきにくい研磨可能な表面であるからこそ、「特別」なライフスタイル製品になります。そのため、高品質な家電製品、時計、宝飾品に欠かせないものとなっています。
一般産業
積層法により、工業的に製造された多くの部品を「全体で」製造することができます。 したがって、部品を個別に製造してから組み立てる必要はありません。
3Dプリントとアモルファス金属がまさに夢の競演であると言える理由:TRUMPFのTruPrintシステムとHeraeus AMLOY社の高純度で特別に最適化された粉末がいかに完璧に調和しているかをご覧ください。
このマシンでは連続生産においてもアモルファス印刷が可能
まさに夢の競演: 3Dプリントとアモルファス金属 TRUMPFのTruPrintシステムと、Heraeus AMLOY社の高純度で特別に最適化された粉体の夢の競演です。TruPrint 1000と2000は、特にアモルファス金属印刷に適しています。小さなビーム径で最高の表面品質を実現します。 これにより、アプリケーションの後処理が簡単になり、または不要な場合さえあります。余った粉体は、次のビルドプロセスのために、シールドガス下で「不活性」に処理することができます。これにより、金属ガラスと急速に反応する酸素などの有害な影響から材料を保護します。ビーム径55 µmのレーザは、小さな溶融槽を形成します。熱は素早く放散され、毎秒200ケルビンの臨界冷却速度が維持されます。これにより金属は結晶化できなくなります。TruPrint 2000では、2つの300 Wレーザでもビルド容積全体を並行して露光することができます。したがってアモルファス部品を高品質かつ生産的に連続生産することができます。 さらに、コンディションモニタリング、パウダーベッドモニタリング、メルトプールモニタリングにより、プロセスの不具合を早期に検知することができます。 その優れた品質につきましてはぜひご自身の目でお確かめください。
エキスパートにお尋ねください。材料エキスパートのクリスティアン・シャウアーがお答えします
ホワイトペーパー
アモルファス金属に関して詳しくは、www.heraeus-amloy.com をご覧ください
*ソースヘッダー画像:Heraeus AMLOY社