汎用性の高いVCSELレーザーソリューションを使用した産業用センサー

産業用センサーは、厳しい環境や過酷な条件下で、様々なアプリケーションにVCSELテクノロジーを使用しています。高性能およびコスト効率というメリットがあります。

はじめに

メリット

応用分野

厳しい環境下での産業用センサー用最新VCSELテクノロジー

VCSELアレイは、圧力センサー、温度センサーなどのスマートセンサーやインダストリー4.0ソリューションなど、さまざまな生産、製造、オートメーションで使用されています。これらは、効率的で設置が簡単にできるよう、密閉されたTOハウジングに入っており、過酷な環境にも適しています。産業用センサー市場で、VCSEL は他のさまざまな種類のセンサーや 3D センサーも推進しています。これには、充填レベルセンサー、ガスセンサー、イメージセンサー、流量センサ、ポジションセンサー、距離センサー、湿度センサー、オートメーションセンサーなどがあります。VCSELセンサーテクノロジーは、3Dイメージング、産業用ロボットコンポーネント、モニタリングや予見的メンテナンスなどのハイテクアプリケーションに使われるセンサーにも使用されています。

なぜ産業用センサーにVCSELレーザを使うのでしょうか？

VCSELレーザは、産業用センサーアプリケーション用途として信頼性のある高出力な光源です。TOハウジングに入ったシングルモードVCSELは、厳しい産業環境でも最適に稼働します。汎用性が高く、コストパフォーマンスに優れ、簡単に製造プロセスへ組み込めます。

過酷な条件に耐性のある設計

VCSEL は、密閉された TO ハウジングに入っています。厳しい工業生産環境でも、損傷への高い耐性があります。

正確なコントローラー

TOハウジングのVCSELには、レーザ温度を正確に制御するためにTECとサーミスターを内蔵したものもあります。

色々な波長を用意

760 nm から 940 nm までの波長を備えた汎用性の高い産業用センサーソリューションは、さまざまなアプリケーションの要件に対応しています。

低出力

シングルモード VCSEL プラットフォームは、極めて少ない電力消費量で高出力になるように設計されています。

当社はTRUMPF社と共同で、速度および距離測定用の頑丈な光学式3Dセンサーを新たに開発しました。VCSELのアプローチにより、当社のお客様はこれまで適切なセンサーテクノロジーがなかった測定課題を解決できるようになりました。またこの非接触方式はソフトウェアを使って非常に簡単にそれぞれのニーズに合わせることができるため、大変気持ちが高まっています。

ハイコ・クレーブス

ハイコクレーブス SICK AG 製品管理シニアバイスプレジデント

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コンサルティングをリクエスト

VCSELテクノロジは、産業用センサーソリューションのどこで使われているのでしょうか？

産業用センサーは、例えば酸素測定、工業用エンコーダー、原子時計、速度/深度/距離測定や各種マシンタイプの近接測定など多岐にわたる応用分野で、非接触レーザ測定として使われています。

酸素測定とガスセンサー

光センサーはVCSELテクノロジーを使って環境中の粒子を測定します。シングルモードVCSELは、TDLASアプリケーション (Tunable Diode Laser Absorption Spectroscopy: 波長可変ダイオードレーザ吸収分光法) に最適です。線幅が狭く、TECでの精密な設定が可能なので、シングルモードVCSELはTDLASシステムに最適です。用途としては、化学や製薬業界など様々な産業環境でのモニタリング、コントローラー、圧力測定が挙げられます。

Schematische Zeichnung eines FTIR Spektrometers

FTIR 分光計

FTIR（フーリエ変換赤外分光法）は、高速かつ良好な信号品質で光学赤外線を測定することができます。温度安定化シングルモードVCSELは、発光波長の温度依存性が低い（0.06 nm/K）ため、FITRに適しています。また、100 MHzという典型的な狭帯域の分光放出は、FTIRアプリケーションの要件をサポートしています。

エンコーダー

光学式エンコーダーには、厳しい操作条件下で高精度の信号と信頼性が求められます。シングルモードの偏光ロック VCSEL ソリューションは、ガウスビームプロファイル、低消費電力、長いコヒーレンス長、および優れた信頼性を備えており、このタスクに適したコンポーネントです。

速度/距離測定

物体を正確かつ確実に非接触で計測する速度/距離測定は、さまざまな産業プロセスで活用されています。これらには、例えばロールツーロールプロセスまたは印刷（テキスタイル、フリースなど）での切断長さ測定、速度制御があります。これには、自己混合干渉テクノロジー (SMI)　VCSELが最適です。フォトダイオード (ViP) を内蔵するVCSEL では、フォトダイオードが光信号の干渉を測定し、システムが周波数差に基づいて移動速度を計算します。センサーは速度と方向を直接検出したり、部品の位置や伸びも間接的に検出することができます。

粒子センサー

0.5 ～ 10 µmの小さな粒子でも、VCSELセンサーを使えばリアルタイムで高精度な検出が可能です。小型レーザダイオードはモジュールやシステムに簡単に統合できるうえに、メンテナンスフリーという特徴があります。また、VCSELセンサーは汚れや日光による影響を受けないことから、屋内外のどちらでもVCSELソリューションをご使用いただけます。
ViP（統合型フォトダイオード搭載VCSEL）により、自己混合干渉（SMI）測定方式が可能になるので、センサーを同時に光源として使用し、反射光をさらに処理できます。