レーザー光線による加熱で、材料が蒸発します。流出した金属蒸気によって溶融池が動き始め、その移動が加速しますが、この加速度が高すぎると、キーホールの背面からスパッターが分離します。
その際、溶接シームでドロスが発生し、溶接シームを形成するための材料量が低下します。
比類のないほど多種多様に利用できるツールであるレーザーは、深溶け込み溶接による継目を何メートルにもわたって生み出す場合にも適しています。深溶け込み溶接では、約1 MW/平方cmの極めて高い照射強度が必要です。
そこでは入熱が大きく、蒸気が発生するため、場合によってはスパッターが発生する可能性があります。その結果、溶接シーム品質が低下し、時間と費用の掛かる手作業での後処理が必要になることもあります。この問題を解決するために、TRUMPFはBrightLine Weldを生み出しました。
レーザー光線による加熱で、材料が蒸発します。流出した金属蒸気によって溶融池が動き始め、その移動が加速しますが、この加速度が高すぎると、キーホールの背面からスパッターが分離します。
その際、溶接シームでドロスが発生し、溶接シームを形成するための材料量が低下します。
全体的に見ると、継目品質が低下するだけでなく、貴重な時間が更に必要になります。スパッターは部品自体に、機械に、又は焦点合わせ光学ユニットに付着する可能性があり、その場合は後処理又はクリーニングが必要になります。裏を返せば、機械のダウンタイムと光学ユニット保護ガラスの交換頻度増加により追加費用が発生し、不十分な溶接シーム品質が原因で不良品が増加して、追加費用が更に高くなることを意味します。
特許取得済みのTRUMPF BrightLine Weldテクノロジを利用すれば、軟鋼とステンレススチールだけでなく、銅やアルミニウムなどの素材もほぼスパッターなしで溶接することができます。
その仕組みは以下の通りです。特許取得済みのTRUMPF 2in1光ファイバー (LLK) には、インナーとアウターファイバーコアが含まれています。そのため、レーザー内部でレーザー出力を柔軟にコアと2in1 LLKのリングに、用途特有の最適な状態で配分することができます。そうすることで、出力配分を材料に応じて最適に設定することが可能になり、希望の結果が得られるようになります。
リング光線が追加されているため、キーホール開口部が拡大し、金属蒸気が逃げやすくなります。そして、表面方向に加速された溶融物がリング光線によって溶融池の方向に逸らされることで、スパッターの発生が防止されます。
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BrightLine Weldを利用すれば、高い強度が保証され、ピット、陥没、亀裂やクレータのない高品質の溶接シームが確実に得られます。
送り速度が上昇することで、極めて高い生産性がシーム品質を維持したままで実現します。
汚れが減るため、機械のダウンタイムの短縮、後処理と不良品の削減、そして高い保護ガラス耐性というメリットが得られます。
光ファイバーは差し込み式であるため、簡単に交換することができます。そのため、機械のダウンタイムが最小限に抑えられます。
BrightLine Weldを利用すれば、コアファイバーとリングファイバーでレーザー出力を100パーセントにして溶接することができます。レーザー出力は、コアファイバーとリングファイバーの間で柔軟に配分することが可能です。
TRUMPFのBrightLine Weldテクノロジは、新世代のTruDiskディスクレーザー、オプションのBrightLine Weld、特許取得済みのTRUMPF 2in1光ファイバー、そしてBEO又はPFOシリーズの標準仕様焦点合わせ光学ユニットから構成されています。つまりTRUMPFからすべてが一手に提供されるため、オプションのBrightLine Weldは必要に応じて後で現場で簡単に後付けすることが可能です。
また、TRUMPFアプリケーションエキスパートの支援を受けながら、各状況で必要なパラメータを当社のレーザー・アプリケーション・センター (LAC) でお客様と共同で導き出して、用途に合わせて正確に調整することも可能です。
BrightLine Weldを利用したレーザー溶接に関する詳細情報をご希望の方は、 ご自分の用途について当社のエキスパートにお気軽にお問い合わせください。